2020年7月4日土曜日

十三騎兵防衛圏 微ネタバレ感想

 友人がちょっと前にクリアして「どうにもラストに納得できない」ということだったので、借りてプレイしてみた。もともと体験版は触っていたが、崩壊編(バトル)がオマケ程度にしかないと感じられなかったので、フルプライスでは買わなくていいやというのが、率直な感想だったがこの機会に、最後までプレイしたので感想を残す。

SF全部のせ丼

 このゲームはアドベンチャーが主でシミュレーションはオマケ程度でしかない。その主なストーリーは文句がない。まず大前提として崩壊編で全キャラが集まるというのは分かりきっているところから、どう集まっていくのか?というのが醍醐味。各キャラのさまざまな視点から物語は広がっていく。例えばAくんにとってBちゃんは味方だが、Cの視点だとDちゃんはAを憎んでいたりする。これは428のようなシステムと少し似ているが、その開放される条件が崩壊編をやらないと進まないというシステムが私的にはいらなかった。この崩壊編はあくまでオマケなので「この先どうなる?」というモヤモヤを抱えたまま、崩壊編をだらだらプレイしなければいけないのはイラッとする。そこまで作り込んでいるものではないし、ノーマルPS4だと後半のステージから処理落ちしまくり、プレイが困難になってしまう。肝心のバトルシステムは一部の行動だけ取っていればクリアできるバランスなので、面白味は感じられない。

 ストーリーに話しを戻すと、この十三騎兵防衛圏は一言でいうと「SF全部のせ丼」である。思いつくSF要素が全部あって、Aくん視点だとタイムループ説、Bちゃん視点だとこの世は現実世界ではないかも、宇宙人、未来武器を持っていたりというようなのが、各キャラ毎に用意されている。そういう物語だが結局は全員集まって戦うというのは、崩壊編で分かっているのである程度は分かっていて展開していく。バラバラに思えるキャラクターが集結して、背中を預ける間柄になるのか?という”あいだ”を見るものと割り切ってプレイするのが普通だと思う。

 最近のアニメやマンガだと特に多いのが学生が主人公なのに、家族関係が見えないということ。この十三騎兵防衛圏も高校生達がストーリーを展開していくけど、ラストであることが分かって納得できる。(美少年、美少女しか活躍しないが)では、友人のようにラストに納得できないのかという問題は、自分は「気にならなかった」というのが感想である。

終わり方を主題としている作品ではない

 上記にも書いた通りこの作品は特殊な作り、展開、過去と現在(追想編、崩壊編)を行ったり来たり、もしくは裏切りの連続なので終わり方は素直に大団円という着地はさほど気にならなかった。あるキャラクターのせいで大問題になっているのに、なにも報いは受けず、ただ元に戻っただけとも取れるのはこれでいいのか…とはおもったw

 あとは気になった点でいうと、この作品は常に選んだキャラクターとは別に「何かしらの相手」が必ずいる。これは自問自答ばっかりにならず、会話で展開させていくのは素晴らしいと思うがラストでメイン以外のキャラクターを無理やりカップリングを作るのは、気持ち悪かった。そこに行き着くまでにひたすら幸福を見ているし。

 総評としてはアドベンチャーゲームには珍しく、2D絵がぬるぬる動いて、音楽も雰囲気に合い、フルボイスで進行していくのは素晴らしい。バトルについてはただポチポチ読み進めていくものにしたくなかったというのは分かるけど、ゲームとしては楽しめない。ストーリーも無理やり広げるのではなく、風呂敷をきちんと畳んだけど既視感のSFあるあるだらけで、新しいことは得られなかった。

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